内モンゴルの草原は細かく仕切られている?遊牧禁止の思わぬ影響

内モンゴルといえば時期によって居住場所を変える「遊牧民」の生活をイメージされる方が多いと思います。

また、僕は広い草原は誰もが自由に出入りでき、好きなところに家畜を放せると思っていました。

しかし、違うんです!

 

内モンゴルの草原は細かく仕切られている?遊牧禁止の思わぬ影響

内モンゴルの草原の現状をご紹介します。

 

土地が決められている?!

広い広い草原は、実はその土地の所有者が細かく決められているんです。

1世帯で所有している土地もあれば、数世帯で共有している土地などがあります。

 

家畜は自分の土地に放し、他人の土地に放すことはできません。

なのでうちの家畜たちは家から2キロほど離れたうちの土地まで毎日わざわざ連れていかなければなりません。(面倒くさい)

ただ、草原の殆どの農家は知り合いや血の繋がりがあることが多く、他人の土地に入るくらいなら大特に文句は言われないです。

 

仕切りがちゃんとある

どこが誰の土地かわかるようにちゃんと仕切りがあるんです。

仕切り

仕切り

仕切り

仕切り

 

迎えに

↑うちの家畜のスペースもしっかり仕切られています。

ちゃんと出入口があります。

 

手作り感満載ですが、トラブルが起きないよう結構シビアに分けられているんです。

 

平等に分けられている!

当然ですが場所によって日の当たり方が違ったり、家畜にとって良い草のある場所や悪い草のある場所などがあります。

誰かが良い草の場所を独占していたらトラブルが起きますよね。

なので数世帯で共有しているような広い土地では「良い草の場所で何等分」「悪い草の場所で何等分」というように細かく分けられているんです。

 

こちらは草刈りの時期の様子です↓

草刈り

遠くから

草刈り

これは多くの世帯で共有している土地ですが、「ここからここまで」と分けられているため、草刈りをすると長方形の土地がいくつもできます。

 

色々と問題も・・・

土地が決められたことで様々な問題があるようです。

 

砂漠化している

昔はこんな風に土地が分けられていませんでした。

そのため時期によって自由に移動しながら生活をしていました。

 

しかし、細かく仕切られてしまい、放牧場所も固定されたことによって家畜は毎日同じ場所で草を食べることになりました。

すると草が減り草原が砂漠化するなど深刻な問題になってしまいました。

家畜の食料である草が足りず、他から大量に買ってきて賄っているんです。

 

人間同士のトラブル

また、土地を巡る人間同士のトラブルも増えたそうです。

昔は境界なんてなくみんなで譲り合ってうまく暮らしていました。

しかし、土地が決められたことにより揉めることが多発しているそうなんです。

特に砂漠化の影響により草の取り合いが起こり、境界が曖昧な部分では「そこはうちの土地だ」「俺の土地の草を取っただろ」的な揉め事が増えているそうなんです。

 

親戚同士でもそういったことで揉めることが増えたそうで残念です。

 

内モンゴルの草原事情【まとめ】イメージが違いました

初めて草原に行った時に仕切られているのを見てすごく意外に思いました。

もっと自由でみんなの物だと思っていました。

 

みんなで共有している土地は境界が曖昧なため、毎年草刈りの時期に揉めるそうなんです。嫌ですね〜

また砂漠化の問題も年々深刻になっているそうです。困ったもんですね〜